2019年3月29日金曜日

追加

本日、長野県教組は高校入試制度の改革案に対する「書記長談話」を発表しました。
新しい入試制度について、心配な点が端的にまとめられています。
組合員の皆さん、県民の皆さん、ぜひご一読ください。

以下本文
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公立高校入学者選抜制度に関わる県教委発表についての書記長談話
長野県教職員組合 書記長 小林 一久

昨日、3月28日に行われた県教育委員会定例会において、高校教育課から新たな入学者選抜制度に関わる発表がありました。これは、県教委がその趣旨を生かして制度設計を進めていくとしていた「報告書」に基づくもので、一切公表されずに県教委内で検討が進められてきたものです。県教組としては、「報告書」の問題点について昨年の3月15日に「書記長談話」を出し、その後も繰り返し申し入れを行ってきました。
発表された内容をみると、前期選抜と後期選抜を行うなど現行の選抜制度の枠組みを維持するものですが、新たに導入されるものが多く、受検生や保護者、そして学校現場にも大変重い負担を強いるものとなることを危惧します。

■誰のための入試改革なのか■
検討委員会からの「報告書」が提出された場で「受検者にとって一番望ましいものであるということは大原則(藤森委員長)」という発言がありました。今回の変更を受検者の立場で考えた時に「一番望ましいもの」と言えるでしょうか。前期、後期、A基準、B基準などがあり、学校ごとさまざまに異なる複雑な制度となります。学力検査とその他の検査が全受検者に課されることにもなります。各学校を受検するためにどんな準備をしたらいいか、対象となる学年の生徒は大きな不安を抱えた学校生活を強いられることになります。不安をあおられ、受験産業への依存が強まる恐れもあります。保護者の経済的な負担の増大も心配されます。前期の学力検査やその他の検査など、新たに導入されるものに対応するためだけでも、学校現場での業務はさらに増えます。

■入試のあるべき姿はどのようなものか■
本来、憲法で保障された「教育を受ける権利」に基づき、希望する生徒全員に後期中等教育が提供されるべきだと考えます。今回の変更では、前期選抜のみならず後期選抜においても「各校の募集の観点に応じて志願します」とされ、高校側が受検生の自由な志願を制限することになりかねません。「3つの方針」として「生徒募集方針」を策定することの問題点は既に指摘してきたところですが、この「方針」とは別に「募集の観点」が全受検者に影響することになれば、2段階に生徒の選別が行われることになります。
受検生は誰もが「強み」をもっているとは限りません。また、全員が「強み」や「夢」をもたなければならないというものでもありません。今回の「新たな入学者選抜制度」では、「障がいのある受検者への配慮」などは全く考えられていないように思われます。選別のための入試ではなく、どのような受検者であっても、入学後に「人格の完成」を目指した「教育を受ける権利」が保障されるような入試とすべきです。

新たな制度の導入にあたっては、受験競争の激化や教職員の多忙化につながらない制度とするということが大前提だと考えます。昨年3月に「報告書」が提出された際、検討委員会委員長は「中学生や保護者、県民の意見を丁寧に踏まえ、受検者である子どもたちが良かったと思えるような制度設計をお願いしたい」と繰り返し発言していました。けれども、教育委員会内での検討のみで今回の「長野県公立高等学校入学者選抜制度(案)」が出されました。
今後、40 日間のパブコメを行うとしていますが、パブコメを実施するだけでは「県民の意見を丁寧に踏まえ」ることにはなりません。新中学1年生からの導入にこだわらず、現場の教職員の声を含め、広く県民の要望を反映させて新制度を練り上げていく必要があると考えます。「実施までのスケジュール」ありきで拙速な導入をすることなく、十分な検討を行う時間を確保することを求めます。

高校入試が大きく変わる!?

久しぶりの更新です。
3月28日の県教育委員会定例会で、新しい県立高校入試制度案が認められてしまいました。
前期選抜にペーパーテストを課す、後期選抜にペーパーテスト以外の検査を必ず課す、しかも前後期の間隔を今より短くするなどの大きな変更です。
入試は複雑化し、子どもたちへの負担は確実に増えます。進路指導現場の混乱も必至です。
何より問題なのは、昨年度の入試制度検討委員会でも現場から懸念の声が相次いだのに、それをまったく無視していることです。「拙速な導入はしない」はずなのに、今の小6の学年から新制度を始めるというスケジュールも決めてしまいました。
これは危険です。とにかく一旦立ち止まることを求めていかなくては!

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